和名:クロイシモチ
学名:Apogonichthyoides niger(Doderlein,1883)
分布:神奈川県以南、台湾、南シナ海に分布します。
内湾の転石がある砂泥地に生息し、物陰によく潜んでいます。
天草では、東部と南部のポイントで多くみられます。
クロイシモチという名前ですが、黒色だけでなく、黄色や白色と体色には個体差があります。
食性は肉食性で、小魚や甲殻類などを補食し、群れを作らずに、単独あるいはペアで行動します。
小さい個体は、落ち葉の下や貝殻に隠れていたりして、なかなか可愛らしい写真を撮ることができます。
秋から冬頃にかけて、ミジンベニハゼの幼魚と一緒に暮らしているところがみれることもあります。
クロイシモチを写真に写すと、目がかなり光って見えます。
これは、「ターペム(輝板)」と呼ばれる網膜のうしろにある構造が光を反射することで発生する現象です。
クロイシモチは、この反射を利用して多くの光を集めることで、暗いところでも行動することができるんだそうです。
濁って海中が暗くなりやすい、内湾の泥地で生息しているクロイシモチならではの進化の特徴なんでしょうね。
繁殖期は、5月から10月と長期に及びます。
オスが口の中で卵を育てる、口内保育の習性があります。
口を器用に動かしながら、口の中の海水を新鮮なものに入れ替えて、卵を洗っている姿をみることができますよ。
卵が孵化して、オスが幼魚を放流するまでの期間は、だいたい1週間から2週間ほどといわれており、その期間中オスは、飲まず食わずで卵を守り続けます。
体を張って、子を守るぱぱさん!かっこいいですね。